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「制度外派遣」の廃止について(通知)

(一社)全日本難聴者・中途失聴者団体連合会

      理事長    新谷 友良

(特非)全国要約筆記問題研究会

      理事長    三宅 初穂

「制度外派遣」の廃止について(通知)

日ごろより、聴覚障害者福祉の向上のためにご尽力いただき厚く御礼申し上げます。

このたび、(一社)全日本難聴者・中途失聴者団体連合会(以下全難聴)、(特非)全国要約筆記問題研究会(以下全要研)両団体の基金により実施してまいりました「制度外派遣」を、2014年度末をもって廃止することといたしました。

これは、2014年度第1回定期協議において合意し、同第2回定期協議において周知等の確認をしたものであり、ここに関係者の皆様にご通知申し上げます。

なお、意思疎通支援事業の施行において不十分な環境にあるなど、個別の必要性が生じることも考えられますので、個別の事案につきましては両団体にご相談ください。

【経過説明】

 「制度外派遣」として2008年度から実施してきた本システムは、障害者自立支援法施行以前から聴覚障害者の情報保障の充実を目指して全難聴、全要研両団体が協働事業として「広域派遣」の名称で実施してきた経過があります。

聴覚障害者が居住自治体での派遣要項の制約から公的な派遣を受けられない、また、居住自治体を離れたところでは要約筆記利用ができないなど、制度の不備による情報保障に関する不利益が多々ありました。こうした問題の解消の1つの方法として開始した「広域派遣」でしたが、障害者自立支援法による市町村での派遣事業の実施により、一歩整備が進みました。法や実施要綱が国から示されたことにより、自治体の対応に変化を生じたところもあります。さらに、障害者総合支援法の改正や、それに基づいたモデル要綱の提示等で、制度外となる条件はかなり軽減されてきました。

他方、もともと制度外であるものの高等教育機関における講義保障、なかでも通信教育の学生のスクーリングでの要約筆記の支援要望は多く、必要な講義保障は行う方向で対応してきました。同時に、大学等との交渉、文部科学省への要望も行ってきましたが、改善の見込みが得られない状況が続きました。利用学生も自ら大学や居住自治体に交渉するなどの動きをとることもなく、制度外派遣に依存する様子が見えました。

緊急避難的な措置として、「制度外派遣」を実施してきたものの、このままでは本質的な解決への道を遠ざけることになる懸念が定期協議でも議論がされ、実施のデータ等の経年変化も踏まえて、廃止という結論に至ったものです。


by toyonokuni | 2015-09-02 05:00 | 協会・センターからの情報 | Comments(0)