手話通訳者のモラルを考える

 大分県で「手話奉仕員派遣事業」が開始されたのが昭和52年でした。
開始当時の派遣依頼は、県内全体で50件程度の状態から徐々に増加し、
現在は年間約2,500件程度に増加してきました。
 制度開始当時は、通訳依頼するろう者にも遠慮と、ためらいがあり、通訳依頼は増えず、
手話通訳者の通訳技術に関しては不満等を言うことは少なかったです。

 それは、援助をしてもらっているのに「言いにくい」等の気持ちからでしょう。
 しかし、最近、ろう者から通訳者に対しての希望や不満を聞くことが増えてきました。
対等平等な関係で通訳制度が発展してきたからといえます。
①当初は援助してもらう関係援助する関係で何も言いにくかったと考えられます。
②徐々に「手話技術に関する」希望や不満を言える関係に変化
③最近は、「通訳者としてのモラル」に関する不満が出されてきました。
④このような傾向は「ろう者が遠慮しないで、通訳者に対して要望などを言えるようになってきた」
ことであり、通訳制度の発展と考えるべきでしょう。
⑤心配なのは、「権利主体者」「依頼者としてのろう者尊重」の姿勢がぶれてきている具体例を聞
くことが増えてきたことです。
 ろう者の言っていることが100%正しいとは思っていませんが、
⑥多くの通訳依頼に応じていただいている通訳者の皆さんに感謝していますが、通訳者の行動に対してはっきりと言えない、ろう者の立場を考えると、派遣を担当している県協会がろう者の気持ちや意見を代弁すべきと考えました。
【医療場面・研修会場面での通訳者が留意すべき基本モラル】

1 ろう患者と医師との会話をスムーズに通訳するのは基本です。
  
医師と通訳者が直接会話するのは特別な場合のみです。
  
ろう患者が質問等する時に、ろう者へ確認後に手話を使いながら
  質問する。
 これは、患者と医師の会話を円滑にし、相互の関係を強化する役割と
 して重要なことです。
 ※ろう者からの出される不満の多くは、
医師と通訳者が会話をする時に
手話を使っていないので、ろう者は何を話しているかわからない・・通訳業務の放棄とも受け
取らかねない行為です。


 実習や研修会等でろう者がゲーム等に参加していないのに、通訳者が
  参加する。「主体者」はろう者であり、主体者の尊重という意識が身
  に付いていれば
主体者の動きに合わせて通訳者は行動を開始するの
  が基本です。

 「主体者が行動する前に行動する通訳者がいる」
 ※
ろうが行動していないのに、通訳者が動きを開始する。
3 ろう者が医師に質問していないのに、通訳者が医師に質問する。
 ※主体者であるろう者尊重の姿勢の欠如・・・ろう者が望まない支援は必要ないです。
  場面によって質問や確認が必要と考えたら事前に権利主体者としてのろう者に確認する
  ことは、研修会等で繰り返し説明してきたことです。
「 支援」「おせっかい」の明確な区分と判断が必要。
  基準は主体者のろう者の言動を尊重する姿勢があれば、ろう者の意見を
  聞かないで、
医師に通訳者が質問するなどのモラル違反は起きないと考
  えます。
  医師とろう患者の関係をつなぐ役割を自覚していれば、医師と通訳者
が直接話すことはありえないです。

 医師と通訳者の話を手話通訳しないで、楽しげに話している場面をろ
う者見たら、「仲間はずれにされた」という疎外感を感じると思います。

 医師と
通訳者の会話にろう者を加えていく配慮するのが手話通訳者の基
本です。
 
多くの通訳活動をする中である中で、基本姿勢を常に意識しながら通
訳活動の質的な向上が図られることを期待しています

皆様の通訳活動に感謝しつつ、派遣元の責任としてあえて苦言を呈します。


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by toyonokuni | 2018-08-29 06:35 | 協会・センターからの情報 | Comments(0)