手話サークル活動について考える

 手話サークルの活動方向にぶれが生じないために、改めて県聴覚障害者協会の手話サークルに対する指針を掲載します。

1.手話サークル

手話サークルは昭和46年に大分市に手話サークルが結成され、現在では16の手話サークルが誕生していますが、サークルは結成したものの定例学習会もままならなかったり、活動が停滞しているサークルも見受けられます。


1)手話サークルの目的

手話学習を通して、聴覚障害者問題への理解を深めると共に社会啓発を行なうことにより、聴覚障害者の基本的人権的の擁護と社会参加を推進することを目的とすべきで、具体的には下記の取り組みを行なうことにあります。

①手話を正しく学習し、手話普及と社会的な認知を促進する。

②聴覚障害者の生活・文化・歴史等を正しく学び、その知識を社会に還元する。

③聴覚障害者を含めた障害者の生活・権利の制約を正しく把握し、それをなくすための活動を行なう。


2)手話サークルの組織

  手話サークルは、手話を学びたい健聴者の自主的な組織であり、その運営等は会員の合意を基本とすべきです。

  しかし、その活動が聴覚障害者福祉と密接な関係があるため下記の点について配慮していただきたいと考えています。


① 聴覚障害者は聴覚障害者協会へ所属し、その運動に主体者として関わっていき、手話サークルへの参加は会員でなく協力者として関わっていくことが望ましいと考えます。

聴覚障害者を会員とした場合にサークルに入会していない聴覚障害者がサークルに自由に参加しにくい状況を生み出すことになり、ひいては一部の限られた聴覚障害者との交流にとどまることになります。


 ② 一つの市町村に一つの手話サークルが望ましいと考えており、活動時間帯の違いにより、昼と夜とに分かれる場合はサークルの名称は同じにし、昼と夜の会員の交流促進と役員同士が定期的に協議する場を設けるように努めるようにする。


 ③ 県聴覚障害者協会は「大分県手話サークル連絡協議会」に加盟している団体を手話サークルと位置付け、協会からの文書等はこの加盟サークルのみに送付する。


 ④ 手話講習会修了後の自主的な学習会等については、聴覚障害者福祉向上のために聴覚障害者協会と組織的に連携していく手話サークルへ加入していき活動を続けることが強く望まれます。


3)手話サークルの活動 

手話サークルの活動は、「1.サークルの目的」で述べていることを具体化するためのものです。サークルの人数や構成メンバー等により活動内容は様々であると思いますが具体的には下記の活動が望まれます。


①定例学習会の開催 

「ことば」としての手話を身につけていくためには定期的、継続的な学習が必要とされ、一週間に一回程度の定例会開催が望ましいと考えます。毎週の開催が困難な地域においても最低月に1回程度の開催が望まれます。


②学習内容

手話技術、聴覚障害者福祉、教育、生活等幅広い分野の学習をしていき、聴覚障害を正しく理解して活動していける資質を身につける学習が望まれます。


③聴覚障害者との交流

  定例会の時やそれ以外の時にも聴覚障害者と定期的に交流する機会を持つように心がける必要があります。


④聴覚障害者団体との協力

地域の聴覚障害者団体から協力依頼があった時には手話サークルとして積極的に協力していく姿勢を持つことが望まれます。

また、手話サークルの行事等に地域の聴覚障害者協会の協力が必要な場合は依頼していき、相互の協力体制を築いていくことが望まれます。


⑤地域の聴覚障害者団体の自主性の尊重

  サークル活動を進めるにあたって地域の聴覚障害者団体と十分に協議し、組織間の合意に基づいて活動を進めていくことが望まれます。

  善意からの出発であっても結果として、ろう者や聴覚障害者団体の自主性や活動を低下させることのないように心しなければなりません。

4)聴覚障害者団体との関わり

  手話サークルは、会員の合意による幅広い活動を基本としつつも、手話サークル存立の理念からして、全国や地域の聴覚障害者団体の運動をよく理解し、サークルの課題として取り組めるものは会員の意見を十分に反映させながら、連携活動ができるようにすべきです。

 年間の活動計画を作成する際に県、地域聴覚障害者協会と行事が重ならないように留意し、地域聴覚障害者協会とは年度始めに行事のすりあわせを行なうことが望ましいです。

 サークル活動で問題が生じた時は個々の聴覚障害者と相談するのでなく、県や地域聴覚障害者と相談していき、組織的な運営に心がけることが求められます。


 3.大分県手話サークル連絡協議会 

県内の手話サークルの情報交換や相互研修の目的で昭和54年に結成された組織であり、現在県聴覚障害者協会と連携をとりながら行事等を進めているので、活動が協会方針と大きくズレることがないし、リーダ ー研修会、手話研修会、その他県外の会議等も出席しており、組織はスムーズに運営上されていると思います。

しかし、手話サークルへの情報提供や研修会のあり方等については今後下記の方向で取り組んでいくことが望まれます。

<課 題>

 ①聴覚障害者福祉の現状や聴覚障害者協会の活動方針等について十分に認識し、幅広い視点に立って加盟サークルに情報を提供していける組織体制が求められます。

 ②日常的に加盟手話サークルの活動状況の把握に努め、サークル活動が停滞している場合に必要なサポートができる体制づくりが求められます。

<今 後>

 ①県内の手話サークルについては県手話サークル連絡協議会と情報交換し、県聴覚障害者協会としてサークルの主体性を尊重しながら、必要に応じて情報提供や指導をしていくことが必要と考えます。

 ②大分県手話研修会は、手話学習者に求められること等を総合的に検討して研修内容を考えていく必要があり、以前のように県手連、全通研支部、県聴障協の三者で話し合って進めていく必要があります。


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by toyonokuni | 2018-09-29 17:12 | 協会・センターからの情報 | Comments(0)