2018年 11月 07日
手話通訳者に必要な知識!
ア 昭和40年代からろう団体が積極的に「手話サークル」の設立と運営に協力して発展させてきました。
イ 行政の主催による「手話講習会」が開かれるようになり、そこで学んできた手話通訳者が各地で活躍しています。
ウ 全国的な手話サークル拡大の流れの中で(財)全日本ろうあ連盟が指針を出す。
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エ 昭和53年策定の「手話サークルに対する基本方針」が現状にそぐわないものになったとして、見直しが提起された。
オ 平成3年に改訂された「手話サークルに関する指針」が発表された。
カ 諸外国には、日本と同じような手話サークルはない
2.身体障害者福祉
①知的障害者は→「療育手帳」が交付される
②精神障害者には→「精神障害者保健福祉手帳」が交付される
③身体上の障害のある者には→「身体障害者手帳」が交付される
【身体障害者手帳・・・聴覚障害者】
①2級 両耳の聴力レベルがそれぞれ100デシベル以上のもの
②3級 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの
③4級・両耳の聴力レベルが80デシベル以上のもの
・両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が50%以下のもの
④6級・両耳の聴力レベルが70デシベル以上のもの
・一側耳の聴力レベルが90デシベル以上、他側耳の聴力レベルが50デシベル以下のもの
※聴覚障害2級と音声機能、言語機能の障害3級の重複は最重度の1級
【音の三要素】
①音の大きさ
②音の高さ
③音色
①感音性難聴
・小さい音が聞こえない
・話し言葉の聞き取りが難しい
・大きい音はうるさく感じる
・聞きたい音が選べない
②伝音性難聴
・軽度、中度の難聴になることが多い
・医学的に改善できる可能性がある
・補聴器の効果が期待できる
③混合性難聴
・伝音性難聴と感音性難聴を重複した障害
【その他の難聴】
ア 突発性難聴→原因不明で大多数は、一側耳性である
イ 心因性難聴→ストレス等による難聴
ウ 薬物による難聴→ストレプトマイシン、カナマイシンなどの抗生物質
【聴力検査】
①平均聴力レベルとは、最も話し言葉を聴くのに大切な音、500Hz、1000Hz、2000Hzの音のデシベル値を平均して算出した数字で身体障害者交付の判定などにはこの数値が使われる。
【音の性質】
①音の物理的性質として、大きさ・高さ・音色という要素がある。
②音の高さは空気の振動の差で決まり、1秒間の振動数は周波数といって、単位はHzである。
③同じ高さで、同じ大きさの音でも、ピアノとバイオリンでは違って聞こえる。これは空気振動の波形の違いによるものである。
3.翻訳技術(手話通訳トレーニング)
通訳とは、理解したメッセージを保持し、再構築する過程である。
①医療領域の手話通訳では、聴覚障害者が病状や治療について理解できているかに最大の注意を払う必要がある。
②文化教養領域では、聴覚障害者の参加の有無にかかわらず、手話通訳者を配置することはコミュニケーションバリアフリーという面で評価できる。
③司法場面での手話通訳は、警察、検察、裁判を通して、それぞれ別の通訳者を派遣すべきである。
【手話通訳の技法】
①手話通訳の技術・技法には、手話通訳技術と手話通訳実践技術がある。
②手話通訳技術には、表現技術と翻訳技術がある。
③手話通訳実践技術には、事例検討・集団討議・ロールプレイ・レポート発表・集団討議がある。
④表現技術にはシャドーイングトレーニング、デカラージシャドーイング
⑤翻訳技術とは、逐次通訳トレーニング、同時通訳トレーニング、イントラリンガルトレーニング、サマリートレーニング
【トレーニングの目的と内容】
①シャドーイング
手話通訳者は、手話通訳の時にかなりの集中力とそれを一定時間維持する力が求められシャドーイングは集中力とその維持のためのトレーニングです。
表現された手話または音声原語をただちにまねをして同じように表現します。
表情や体の移動、声の出し方、速さなど全てを模倣することで多様な手話は或いは音声語の表現力を獲得することを目的としています。
②デカラージシャドーイング
シャドーイングと同様で集中力と持続力を養うトレーニングですがシャドーイングより高い集中力が求められます。
③ディベート(討論)及びレポート発表
手話通訳者は手話と音声語の両言語にたけていることが前提で、手話あるいは音声英語による討論、レポート発表を通して、それぞれの言語による学習者自身の表現力を高めます。
④翻訳技術トレーニング
同一言語内での言葉の言い換えトレーニング。表現されたメッセージ内容を把握した後にそれを別の言葉に置き換えるという練習です。
⑤サマリー(要約)
表現されとメッセージを要約して、同言語で表現するトレーニングです。
メッセージの主題を損なうことなく、要約する練習であり主題を的確に把握する力。
メッセージの意味・内容を損なうことなく、主題を的確に把握する力、メッセージの理解力、再構成する力を高めることを目的としています。
⑥逐次通訳トレーニング
手話通訳者は対象者や場面によって、その意図や、それが受け手にどのように伝わったかを確認しながら通訳を行うことがあり、逐次通訳トレーニングはまとまりのある文として表されたメッセージをジを十分に理解した上で正確に翻訳する力を高めることを目的としています。
⑦同時通訳トレーニング
表現者の表現した手話または音声を、同時に他の言語に翻訳するトレーニングです。
手話通訳を行う場合はほとんどの場面が同時通訳で、各種トレーニングの総合的な力を高めるトレーニングです。